私がよく使うデバイスでTI社の16bit ADコンバータ ADS1115が載った図のような基板があります。

オリジナルはAdafruit Industries の製品で2000円程度ですが、中華コピー品が多く存在し、COVID-19以前はアリエクで200円で買えました。

このようなI2C接続のデバイスは非常に使いやすく、省配線で機能を拡張できるので気に入っています。

 

しかし大きな問題が1点あり、ややこしいパチモノが存在するのです。

ADS1015というTI社の12bit版のADCがあり、分解能が12bitに低下する代わりに変換速度が速く、ADS1115より安いという代物です。

ADS1115ではなくこちらのADS1015を載せ、ICの刻印をリマークしている偽物がやたら多いのです。

100円そこらの差額のためにそこまでするのか???という感情が湧いてきますね。

問題はこの偽装に気が付かないユーザーが多く、偽物を買わされているのにショップを高評価してしまっているところにあります。

というのも、ADS1115とADS1015のレジスタマップは兄弟機だけにほぼ同一で、初期設定方法などの使い方は一緒となり、異なるのは変換速度とデータが16bitあるか否かです。

データシートから抜粋しましたが、下位4bitが欠損(ゼロ)していたとしてもそこそこの電圧値は読めるわけで、このデバイスを購入している人の多くがArduinoやラズパイユーザーの方と思われるので、ライブラリでパッと動かして「なんか電圧読めたからヨシ!」となるケースが多いと考えられます。

下位4bitの微小値の挙動に気が付かず、変換速度も上がっているため、動かないという不具合にならないので良品であると認識し、ショップを高評価してしまうことで評価スコアで本件を検出できないという悩みがあります。

 時々気が付く方もおり、 AliExpressやAmazonでオシロ波形を提示して指摘されている方を見かけますが、購入者の10%にも満たないという印象です。

さらにはセラー自身も騙すつもりはなく、仕入先に騙されているという状態であることも想像できます。

 そういったことから、このデバイスをまとめ買いしたいのにチョコチョコ買いでリスク分散せねばならないのが悲しいところです。 良品の実績のあるセラーで買うようにはしていますが…。

(今のところ、偽物率30%)