半導体不足が継続しており、2022年もこの状況が続きそうです。

 

様々な世界企業の経営者が今後の見通しを示していますが、楽観的な説では1年程度とされたこの状況は、とっくにその1年が過ぎ去りまだまだ続きそうなのが現状です。 


そんな経営者インタビューの中で、ある程度数字を提示しており、現場にいる人間の感覚と重なる部分も多いなと思ったのがGYS社のCEO、Bruno Bouygues氏の見解です。

 

同社はSTMicroからMCUのみならずMOS-FET等のパワーデバイスも含め、多くの半導体を購入している顧客でもあります。 

 

リファレンス:

 Bruno Bouygues (Gys) : "Il n’y a plus de semi-conducteurs disponibles pour l’année prochaine" @BFM BUSINESS (仏)

 

半導体不足の本当の理由?

 

過去に標準納期8~10週間だった部品が46〜47週、ものによっては80週以上の納期になっていることを指摘。
 
 
2022年から2023年の初めにかけては、もう半導体はない、とBruno Bouygues氏は警告している。

 
2022年は転売屋みたいなブローカーから半導体をかき集める年になるのかもしれません。
 

 

  「以前は在庫がなかったのに、皆が戦略的な在庫を補充し、需要の高まりとチェーン全体の戦略的在庫の補充が相まって、工場は納品できず、供給時間が非常に長くなっています」と、Bruno Bouygues氏は説明し、短期的に危機が終わるとは予想していない。

半導体不足の理由は色々報道されますが、汎用品においては私の感覚と一致するのはこの見解でした。


そもそも総需要が倍になったわけでもないのに、ものによっては納期が10倍以上遅延するのはなぜか?

 

TSMCのボトルネックやルネサス・AKMの火災だけで説明できるのか?という疑問は常にありました。

 

「チップがいつも通り手に入らない」という恐慌状態が起きた結果、それまで在庫を持たなかった顧客が次々と戦略的在庫を求め、結果として生産される最終製品の数よりはるかに多い半導体需要が発生した……という話であればしっくりきます。


もしそうであれば、戦略的在庫の補充が一巡するまでこの半導体不足が続くでしょうし、恐ろしいことに在庫を補充し終えてしまったら、需要が急減する揺り戻しが起きそうです。