今回は、電気の基本であるオームの法則について解説していきます。
 
中学の理科で習う内容ですが、 式の暗記だけになってしまっている人も多いのではないでしょうか。
 
電子回路を取り扱う際は、電流がどれくらいの量でどのように動いていくか脳内イメージする必要があります。
 
 

 オームの法則の回路

基本となる回路図を示します。Vは電源、Rは抵抗です。

電源は長い線の方がプラス、短い線がマイナス(通常はグラウンド <GND> と呼ぶ)です。

単三電池のプラス極とマイナス極をイメージしてみてください。 

プラス極の方が電圧が高いということです。


このような電源と抵抗が繋がった回路では、矢印の向きの電流が流れます。

さて、 これを前回の水の話に置き換えて表現してみます。

 

 水で例えると


 

ポンプが水の高低差を作り出し、高い位置の水が水槽(GND)に向かって流れ落ちていきます。抵抗で流路が狭まっているので水の流量は制限されています。

電気回路も同様で、電源の電位差によって、 電流が流れます。しかし電源の限界まで電流が流れるのではなく、抵抗によって電流が制限されます。

 

この際の電流値がいくつになるのかを求める際に使うのでがオームの法則の式で

 


このような式になっています。

 

この式を変形すればR=V÷I、I=V÷Rとなり、どれか2つの値が既知なら残る1つの要素の値を求めることができます。

 

例えば電圧5V、抵抗10Ωの回路ならI=V÷Rより

5÷10=0.5なので 流れる電流は0.5A (500mA)となります。


なぜ重要なのか?

 

オームの法則はどのように利用されるのでしょう?なぜ大事なのでしょうか。

 

それはまず、回路に流す電流は適切な量にしなくてはならないからです。


初心者がぶち当たる壁は回路の部品を破壊してしまうことです。


これは大まかには2つのケースとなり、高い電圧をかけすぎて壊す(または電圧のプラスマイナスの向きを間違える)というモードと電流を流しすぎて燃やすというモードになります。

 

ラズパイやArduinoを壊すとめっちゃ凹みますよね。

 

どの部品にも電流の上限がありますので、回路に電源を入れる前にこの経路には何アンペア流れるのだろう?と考慮する必要があります。その際に計算に用いるのがオームの法則というわけですね。

 

以上、第2回はオームの法則の話でした。